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変形性膝関節症について

コラム

整形外科 医長 佐々木崇博

変形性膝関節症は、膝の関節が変形し痛みやこわばりを引き起こす病気です。非常にポピュラーな病気で60歳以上の2人に1人が該当し、特に女性の有病率が高いと言われています。
本コラムではそんな変形性膝関節症についてお話しします。

1.変形性膝関節症の原因
肥満や過剰負荷などのメカニカルストレスや、骨粗鬆症、加齢による筋力の低下などが原因と考えられています。これらの要素を改善することで進行を予防、または初期の変形性膝関節症であれば症状が改善することがあります。

2.変形性膝関節症の症状、診断
<初期症状>
●動き始めが痛いが慣れると痛み消失
●立ち座りで痛みが出現
●階段昇降で痛みあり(特に降りる際)
●膝は曲がるが正座ができない。

<進行期症状 >
● 長い距離を歩けない
● 安静にしても痛い
● 階段が1段ずつでないと昇降できない
● 膝を伸ばしたままでないと歩けない

日常生活に支障が出るような痛みが出現すると、痛みのある膝を庇ってしまい動かさないようにしてしまいがちです。そうすると膝関節周囲の筋力が低下し、骨成分も弱ってくることで、膝関節の不安定性が増し痛みが増強されます。これらの症状を聴取し、直接患者さまの膝を触診し、X線撮影(レントゲン)で関節の状態を確認。下肢全長も追加し全体的なアライメント(骨の軸と骨の軸のバランスを確認)を確認します。状態に合わせて必要があればMRI精査を行います。 

3.変形性膝関節症の治療
治療には保存的治療(消炎鎮痛剤、関節内注射、リハビリテーション、装具療法)などがあります。膝関節は荷重関節であるため、肥満症がある方は減量がとても大事になります。また、無闇に痛みを抑えて治療を長引かすことも良くはありません。外科的治療には、膝関節の変形が軽度の場合は傷口が小さく関節鏡というカメラを使用して関節内の処置だけで治療を行えることもあります。年齢、関節の変形程度や活動量(スポーツや山登りなど日常生活以外の行動量)によってO脚をまっすぐの膝に矯正する膝関節周囲骨切り術(図1)や人工関節置換術(図2)の治療方法があります。 

まずは気になる痛みがあれば専門医に相談していただき受診をお勧めいたします 。

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