脳出血
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〇脳出血とは?
脳出血は脳内にある血管が破れることにより起こります。出血することで脳組織を損傷したり、出血した血液が脳を圧迫し機能障害をもたらします。 -
- 〇原因
- 高血圧
- 最も多い原因です。高血圧は生活習慣病の一つで、過食や運動不足による内臓肥満、塩分摂取過多、多量の飲酒によっても引き起こされます。高血圧を放置しておくと、動脈硬化が進んで血管壁の柔軟性が失われ血管が破れやすくなります。
- 脳動脈瘤
- 脳の血管に瘤ができて、破れる病気です。一般的にはくも膜下出血になることが多いです。脳内の細い動脈に瘤ができたり、動脈瘤の破裂部が脳内に食い込んでいる場合は脳出血で発症することがあります。
- 脳動静脈奇形
- 生まれつき脳の動脈と静脈が異常な形でつながっている病気です。
- 脳アミロイドアンギオパチー
- 脳の血管にアミロイドというアルツハイマー型認知症の原因にもなる異常なタンパク質が沈着することで、脳の血管が脆くなり出血することがあります。高齢者に起こることが多く、多発性に出血を繰り返すことがあります。
- 脳腫瘍
- 稀ですが血流が豊富な脳腫瘍から出血することがあります。
- その他
- 歯肉炎や虫歯による口腔内細菌が、脳の微小出血に関係していることが報告されています。
- 〇症状
- 出血する場所、出血する量などにより様々な症状を呈します。代表的な症状を列挙します。
- 半身麻痺
片側の顔面や手足の動きが悪くなる。 - 感覚障害
片側の顔面や手足の感覚が鈍くなったり、痺れを感じる。 - 言語障害
呂律が回らない、言葉が口から出てこない、言葉の理解ができないなどの症状が出ます。 - 頭痛・嘔気・嘔吐
頭の中の圧力が上がることで急に起こります。 - 意識障害
意識が朦朧としたり、呼びかけに対して反応が無くなります。
- 〇治療
- 血圧管理
出血が拡大しないため、血圧を下げます。 - 抗脳浮腫薬の投与
損傷した脳は時間とともに浮腫みが強くなります。むくみが強くなり周囲への圧迫が増大すると、脳に血流障害を引き起こします。出血した周囲の脳を保護するため、脳の浮腫みを取る薬を投与します。 - 手術
出血した血液により脳が圧迫されていることにより症状が重くでている場合は、手術をすることで早期の改善を期待できることがあります。その際には、手術による血腫除去術を実施します。顕微鏡を使った開頭手術や神経内視鏡を使った手術などがあります。 - リハビリテーション
早期からリハビリを開始し、麻痺や言語障害などの後遺症に対する機能回復を目指します。また、残っている機能を強化することで、なるべく自立できるように支援していきます。
- 〇再発予防
- 高血圧の管理
高血圧ガイドラインに準じて、厳密な血圧管理をします。 - 生活習慣の改善
バランスの取れた食生活、適度な運動、禁煙などを行います。