陰嚢水腫
痛みがないのに陰嚢が大きくなることを感じて受診されることが多く、陰嚢に体液が水風船にようにたまってしまう病気です。成人の陰嚢水腫はお腹の中(腹腔)と通じていない(非交通性)タイプが主です。原因はよくわかっていませんが、精巣(睾丸)は何層もの膜に覆われていますが、この膜の間で炎症などが起き、体液が作られるのと吸収されるバランスが崩れると体液がたまってしまうようです。癌になったりすることはなく、生活に支障がなければ放置してかまいません。ただし、痛みがないのに陰嚢が大きくなる病気として精巣腫瘍・癌があるので1度は受診する必要があります。陰嚢が大きくなって下着やズボン・パンツがはけないなど支障が出た場合は手術が必要で、約1週間の入院を要します。一時的に針で刺して陰嚢水腫を抜き取る処置をすることがありますが、1.2週間で元通りに体液がたまってきますし、この処置を繰り返すと癒着(ゆちゃく:水腫とまわりの皮下脂肪がくっつくこと)により手術がやりにくくなってしまうので当院では基本的に行いません。